偽造受動部品対策における最近の進展

Published: June 10, 2024

近年において、偽造電子コンポーネントにおける問題は半導体に集中しており、電子製造業のエコーシステムに大きな影響を与えています。これには、受動部品も偽造者の対象製品となります。メーカーは、様々な取り組みを通して偽造品を検出することに厳しくなっています。顧客はリスクをもっと意識するようになっています: 正規チャンネルで購入されていない物は、メーカーが品質を保証しません。

Donnie Boatright氏 - Murata社

「見込み客や業界の関係者は、正規セールスエージェントから直接購入していない製品の固有リスクについてさらに意識を高め、知識を深めている」とMurata社のコーポレートQAマネージャであるDonnie Boatright氏は説明しています。「顧客はリスクをよりよく見極めると信じている - またあるケースでは、正規セールスエージェントから直接購入しなかったことの結果を経験することによってリスクを知る - これにより、事件を減らすことができた。」とも主張しています。

Boatright氏は、通常のコンデンサまたはインダクタ製品が多くの産業において重要なものであり、この理由により潜在顧客が沢山いると主張しています。「過去には、Murata社が時折このような事件を扱っており、通常の場合、報告された故障を調査するものである、」と続けています。「故障が報告された時は、部品、パッケージ、ラベル、また部品がどこから購入されたか、といった情報をできるだけ多く確認する。このような背景に関する情報はとても重要なことであり、純正であるかどうかを見極める助けとなる。このアプローチは、Murata社にクレームとして出された故障報告の中に、偽造製品が関係している報告を排除することに役立っている。」とも主張しています。

Christopher Vetch氏 - Molex社

Molex社のVP オブ クオリティーであるChristopher Vetch氏は、同じようなアプローチをとっています。「Molex社では、偽造製品の問題を非常に真剣に受けている」と声明で述べています。「当社は、顧客が高品質かつ信頼できる基準に達した、純正のMolex製品だけを使用することに力を入れている。当社は偽造製品販売を防ぐために次の対策を取っている:

• 顧客に偽造製品の識別について情報を提供し、偽造製品を当社に報告してもらう。

• 定期的に当社のサプライチェーンに対する監査を行い、材料とコンポーネントが良い評判のあるサプライヤーから調達されていることを確認する。.

• 当社の製品またはパッケージングを「Molex」か「MX」と表記

• 最も重要な事として、当社の製品が選ばれたパートナーとディストリビューターを通してのみ販売することの確認を行なっている。」

Ralf Duckec氏 - ebm-papstグループ

ebm-papstグループの副社長 知的財産担当であるRalf Duckeck氏は、偽造製造の識別とシャットダウンに積極的である必要があると述べています。政府機関と私立探偵機関と連携し、同氏のチームは二つのアプローチを開発した: オートメーション化した識別プログラムとStandard Trade Union (STU)中国と連携し、偽造製造を中止させることです。

「現在当社ではCorsearchを使用し、インターネットをコーミングすることによって、オンラインプラットフォームに販売されている偽造品を見つける。これらの物のほとんどが中国から来ている」と説明しています。「Corsearchは、オンライン上で販売されている製品画像の中にある当社のファンとモーターを識別するように訓練されている。過去2年においてCorsearchは、16万もの偽造ebm-papst提供の発見と削除に成功した。」

Corsearchは、いくつかの違反者を容易に識別することに成功しました。「犯行を重ねる違反者は、活動を隠そうとする」とDuckeck氏は続けています。「数ヶ月後、画像の一部分を隠そうとする。多くの場合、書かれていることを理解していないため、入力ミスやカラーミス、US特許番号の間違いなど、ここで言えない事が見られる。」と述べています。

当初、Duckeck氏のチームは、一つのセールスプラットフォームに違反ウェブサイトを閉鎖するように呼びかけましたが、成功しませんでした。同プラットフォームは違反アカウントを削除しようとしなかったのです。「再犯者を防ぐのはインターネットプロバイダーの責任であるべきである。」とDuckeckは嘆いています。「あるものは滑稽なものもある。同サービスを使ってサイトを閉鎖しようと試した。偽のアカウントを作成したが、効果的ではなかった」とも述べています。別のオンラインプラットフォームでも、同じでありました。仮にアカウントが削除されたとしても、別名で同じサイトが立ち上がるのです。将来のこのアプローチは功を奏すことを願うと同時に、少なくともヨーロッパでは現在(2024年3月現在)EUデジタル市場法が実施されています。プラットフォームプロバイダーは誰がどのような製品を提供しているか、コントロールし、責任を持つべきです。再犯者は自動的にプラットフォームへのアクセスをブロックするべきです。

偽造ファンは、古い機器が取り出されて、新しい物として販売されているものもあります。16万にものぼる製品は、ほとんど古いシステムから取った小ファンであります; これらは作動しますが、信頼性が低いものです。

また同チームは、純正ではない偽造モーターも見つけました - これらはebm-papstモーターとは全く異なるビルドですが、純正とされています。

いくつかの偽造はマレーシアを通していますが、偽造文書はタイでも見られ、ほとんどの偽造品は中国から来ているとDuckeck氏は述べているいます。顧客はインターネットで代替部品を探している際に、これらの偽造品を見つけます。例えば、パンデミック中に医療機器サプライヤーが換気扇の生産を上げた時に起こりました。

中国で偽造する事は違法であります。現在では政府がこれらの問題をコントロールできるように、ソーシャルスコアシステムを導入しました。販売店のオーナーは、マイナスポイントが沢山つくと、規制がかかるようになります。「2年前に、これらの事が発覚した際に、証拠を政府機関に提出することができなかった。偽造者は気をつけるようになったのである。当社はトレードマークを行使する企業である、Standard Trademark Union (STU)中国と連携をとっている。同企業は、当社の産業と共に動いている。同企業の助けを借りて、ゴミ箱を漁り、証拠を集め、正しい住所を見つけ、現場に踏み込んだのである。これは大きな成功であった。」と述べています。

顧客は、どのように純正コンポーネントを購入していることを確認できるのでしょうか？Duckeck氏はこれを明確にしています。「インターネット上で購入することをやめましょう。新しい偽造マーケットが増加している。過剰在庫品や容易に識別できるミスラベル製品を売るのをやめたのである。現在では、偽の画像と偽造文書付きの判別しにくいコピーが出回り続けているのである。」

Murata社のDonnie Boatright氏は、より明確にしています。「Murata社は、正規Murataセールスエージェントからのみ購入することを勧める。これは顧客が正規、保証付きまた顧客が、望む仕様に合った製品を確実に知る唯一の方法である。」と述べています。

Murata社は、顧客が非正規セールスエージェントから購入された製品の有効性を確かめるように要請される事があります。これを行うためには、部品が100%パッケージから取り出されていることや、リールから解かれ、出荷検査プロセスが実施される事となります。「これは顧客やサプライヤーにとって、実用的な事ではない。例えば、我々が見たケースには、リールの最初のいくつかの部品は純正だったものの、リールのバランスはそうでない場合があった。また偽造されたコンプライアンス証明書も見たこともあった; 実際には、記載された日付の5年前退職した人のサインがCocに載っていたこともあった。この有効性を確かめるプロセスは、関係者全員に負担となるものである。」と述べています。

Molex社は、偽造品を購入したと思うならば、直ちに同社に連絡するように促しています。全電子メーカーコミュニティーが一丸となって連携することによって、我々が生活のほぼ全てに依存している電子製品が純正、高品質コンポーネントによって製造されていることを確認できるのです。この取り組みの基本は正規チャンネルで購入することです。

TrustedParts.comは、全ての地域で販売される、全てのコンポーネントが正規調達元から来ていることを確認する、唯一安全な総合オンラインコンポーネントプラットフォームです。「偽造品の数が増える中、正規チャンネル外で調達するサプライチェーンのリスクは急激に増加している、」とECIAの副社長であるVictor Meijers氏は締め括っています。